漏れ電波利用の機体捜索
漏れ電波利用の機体捜索その1
1.RC受信機の漏れ電波を使った機体捜索の簡易実験をした所、良い結果が得られましたので報告します。

 理屈です。
RC受信機はプロポからの電波を受信して、サーボへの信号を取り出す際、周波数を変換しています。

 シングルコンバージョン
受信した周波数を一度455KHzに変換した後、増幅して信号を取り出しています。

 デュアルコンバージョン
受信した周波数を一度10.7MHzに変換した後、増幅しさらに455KHzに変換、
増幅した後、信号を取り出しています。

 いずれも、一度目の変換の際に受信機用クリスタルを使っています。
この際クリスタルを発振している訳ですから、微弱ながら電波が出ます。
この電波を受信して機体を捜索しようと言う訳です。

 周波数の変換は次の通りです。
40MHzシングルコンバージョン
フタバ -455KHz
JR   +455KHz

72MHzシングルコンバージョン
フタバ JRともに +455KHz

72MHzデュアルコンバージョン
フタバ -10.7MHz
JR   ?

実際にレシーバーで探す周波数は、
フタバ 72MHz シングル 50番を例に取ります。

50番は72.790MHzですので、
72.790+0.455=73.245となります。
したがって73.245MHzの電波を市販の広域レシーバーやアマチュア無線機を改造した物で受信します。
発信している電波はFMですが、搬送波しか出ていないため、AMやFMレシーバーでは発信音が聞こえませんので、レシーバーはSSBかCWモードが受信出来る物を使います。

実際にはこの基本波の他に奇数倍で高調波が発生します。
基本波   73.245MHz
第三高調波 73.245×3=219.735MHz
第五高調波 73.245×5=366.225MHz
この内の受信し易い周波数を使います。

アンテナは受信する感度を換えるため、ホイップアンテナの10cmから30cm位の物を2〜3本使い分けます。

当初は八木アンテナを使おうと思いましたが、これは方角も距離も全然検討が付かない場合に非常に有効ですが、機体捜索の場合は大体の方向と距離が分かっていますので、ホイップアンテナで十分だと思います。

漏れ電波利用の機体捜索その2−1 漏れ電波利用の機体捜索その2−2

3.実際に簡単な実験をした結果です。
RC受信機にバッテリーだけ接続した物を家族の者に渡し、家のどこかに隠してもらいます、その間自分は家の外で待機しています。
どの部屋のどの場所に隠しているか分からない状態で合図を待ち、OKが出たら捜索用レシーバーのスイッチを入れて捜索を開始します。

良くテレビでやる盗聴器発見の方法とまったく同じです。

この実験を5回ほどしましたが、すべて発見する事ができました。
コタツの中、布団の間、タンスの上、テレビの裏などあちこちに隠されましたが、すべて発見しました。
電波の強さと了解度を頼りに探すため、多少無線の経験が必要ですが、慣れれば簡単です。

大体30m〜50m位離れても受信出来ますので、十分有効だと思います。
また、実際のフィールドと家の中では条件が違いますので、今度は実際に飛行場で実験してみます。

漏れ電波利用の機体捜索その3

4.実際に飛行場わきの草むらに、飛行機を投げ入れて実験してみました。
実験に使用したレシーバはKENWOODのTH-F7です。

漏れ電波利用の機体捜索その5

5.漏れ電波をたよりに捜索し、みごとに発見することが出来ました。
実際に実験を行って新たに気づいた点がありました。
 CWモードで受信する周波数は、上段1の計算とおりですが、SSBモードは、USBの場合マイナス5KHz、逆にLSBの場合プラス5KHzのズレが出ますので注意が必要です。
 いろいろなRC受信機で実験しましたが、草むらや機体の影響と思われますが、10m位が受信可能範囲と思われます。

(2005.11.06)

漏れ電波利用にモービルアンテナを使用

 捜索レシーバーのアンテナですが、昨日の実験では受信距離がイマイチでしたので、モービルアンテナを使って見ました。

 長さ1mほどのモービルアンテナで細い同軸ケーブルでつないであります。

 ハンディーホイップと比べて約2倍ほど受信距離が伸びましたし、受信機とアンテナが離れている為使い勝手もGoodです。

 アンテナは利得が高く感度の良い方が遠くから受信出来ますが、藪の中で取り回しに邪魔になっては意味がありません。
この位がちょうど良いと思います。

(2005.11.07)

 漏れ電波の周波数をメーカー別、受信機種類別に一覧表を作成しました。

 morer.pdf (5KB)

(2006.03.12)

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