よくばり機体発見器
PICよくばり機体発見器

 今までに欲しかった機能をすべて組み込んだ、多機能の機体発見器を作成してみました。

 1.軽量であること

 2.プロポのスイッチ(スティク)でブザーをON・OFFできること

 3.プロポのスイッチを切るとブザーが鳴ること(FM受信機使用)

 4.30分経過後にブザーが鳴ること(PCM受信機使用・スイッチの切り忘れ防止)

 5.30分経過後のブザーを解除できること

 6.充電池・乾電池の電源に対応

 7.充電池・乾電池の自動感知ブザー

 8.充電池・乾電池の電圧残量警告ブザー

 9.ブザー音で各機能が判ること


PICよくばり機体発見器配線よくばり機体発見器配線裏側

機能説明

 「1」の軽量であることは、PICを使用し、6g程に組み上げることが出来ます。

 「2」のプロポのスイッチ(スティク)でブザーをON・OFFは、最低限必要なものだが、今回は、ステックのストローク全体を1〜10とすると1〜7はOFF、8〜10がONになるようにしました。

 「3」のプロポのスイッチを切るとブザーが鳴ることは、FM受信機を使用している場合に機能します。これは、PCM受信機の通常使用では機能しません。

 「4」30分経過後にブザーが鳴ることは、上記の「3」を補う機能で、PCM受信機を使用した場合に役に立ちます。この機能は、FM受信機を使用していても機能します。なお、スイッチの切り忘れたときにも役立ちます。

 「5」30分経過後のブザーを解除できることは、長時間の飛行をしていると、ブザーが鳴ってしまいます。ブザーが鳴ってしまったら、スイッチ(スティク)でON・OFFすると、ブザーは止まり、また、30分経過後にブザーが鳴ります。

 「6」充電池・乾電池の電源に対応は、PICの耐圧は、5.5Vなので、乾電池を使用するとPICが壊れてしまいます。今回は、ツェナダイオードを使用して4Vに降圧して、PICの電源にしました。なお、後記する「7」・「8」のために、コンパレータのリファレンス電源ともしました。

 「7」充電池・乾電池の自動感知ブザーは、PICのコンパレータを使用して、5.8Vを境にして、5.8V以上であれば乾電池、以下であれば充電池と判断しています。しかし、この5.8Vは計算値で、ツェナダイオードや分圧に使用している4.7KΩの抵抗の誤差で変わってきますので注意が必要ですし充分の検証をしてからご使用ください。

 「8」充電池・乾電池の電圧残量警告ブザーは、電池が少なくなってきたら、警告のブザーです。乾電池であれば5.8V以下になったら、充電池であれば4.6V以下になったらブザーを鳴らす機能です。この数値も、計算値で「7」同様、ツェナダイオードや分圧に使用している4.7KΩの抵抗の誤差で変わってきますので注意が必要ですし充分の検証をしてからご使用ください。

 「9」ブザー音で各機能が判るようになっています。操作順に列記します。

 ・電源スイッチを入るれると、充電池・乾電池を判別して、充電池は短音2回、乾電池は短音3回

 ・プロポのスイッチ(スティク)でブザーをONすると、モールス信号のOSO

 ・プロポのスイッチを切ると、長音の連続

 ・30分経過後のブザーは、モールス信号のSOS

 ・充電池・乾電池の電圧残量警告ブザーは、短音の連続


PICよくばり機体発見器の使用部品

部品表
PIC : PIC12F675 1本
デジタルトランジスタ : C114 (2SC1815 & 10kΩ代用可) 1本
ツェナダイオード : HZ4B−3 (4V0.5W) 1本
コンデンサー : 0.1μF(104) 1本
抵抗 : 300Ω 1本
抵抗 : 1KΩ 1本
抵抗 : 4.7KΩ 2本
ブザー : TMB−05 または HDB06 1本
その他 : コネクタ等 1式

回路図
PICよくばり機体発見器の回路図

ソース beep_cmp.c
ソース delay.h(PICC−Liteに添付されているもの)
ソース delay.c(PICC−Liteに添付されているもの)
HEX beep_cmp.hex

 この「よくばり機体発見器」のソフト開発は、HI−TECH社のフリーソフト、PICC−Liteを使用しました。作者はC言語初心者でありますし、開発まもなく不具合等もあるかもしれませんので、ご使用ご利用に際しては自己責任にてお願い致します。なお、PIC等の詳しい説明は、専門書や関連サイトにおまかせして控えさせていただきます。


追記

 以上が、「よくばり機体発見器」の記事ですが、「軽量でなくても、なにしろ、大きな音のするもの」が欲しいと云う声を伺いますので、番外編で、防犯ブザーを利用したものを紹介します。

防犯ブザーPICよくばり機体発見器

 これは、上記の「よくばり機体発見器」に防犯ブザーを接続したものです。防犯ブザーは、あまり改造しないで接続するために、FETドライバと抵抗を電源マイナス側に挿入するだけにしました。

 途中のコネクタは、不運にも墜落等でこのコネクタが抜けて、防犯ブザーだけ跳び出た時に自前の電池で鳴るようにしてあります。


防犯ブザー基板防犯ブザーによくばり機体発見器の配線

部品表
PIC : PIC12F675 1本
ツェナダイオード : HZ4B−3 (4V0.5W) 1本
コンデンサー : 0.1μF(104) 1本
抵抗 : 300Ω 1本
抵抗 : 1KΩ 1本
抵抗 : 4.7KΩ 2本
その他 : コネクタ等 1式
防犯ブザー : 市販品 1本
FETドライバ : TND012 1本
抵抗 : 10KΩ 1本

回路図
防犯ブザーよくばり機体発見器の回路図

製作補足

 防犯ブザーを利用する場合は、コイル等を使用しての昇圧や発振回路での発振をしていますので、より一層の注意と充分の検証を行ってください。なお、ご使用ご利用に際しては自己責任にてお願い致します。


(08.03.24)
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